Age well

Bob Langerについに会ってきた。

前にも書いたが知る人ぞ知る(MIT生も意外と知らない)医学界のエジソンMost cited researcher in the history、押しも押されもせぬ偉人だ。

 

 

I love things that age well - things that don't date, that stand the test of time and that become living examples of the absolute best. (私は良く齢を重ねるものを愛する。決して古びず時の試練に耐え、生ける絶対的価値の標となるものを。)

Giorgio Armaniのセリフだが彼は正しく"the living example of the absolute best"ではないだろうか。

 

無機質な研究室の一角にある、錚々たる賞で壁一面が埋め尽くされたオフィス。我々のピッチ(チームの方針が決まるまでここでは詳しくは書かないつもりだ)に対する洞察に富んだ言葉と次から次へと生み出されるアイデア。”ああ、世の中にはこんな人もいるんだな”という静かな衝撃に、帰りの自転車を漕ぐ足は軽くなっていた。

 

Age well。その1つは心に残る経験をどれだけするかではないだろうか。心が動く経験、それはその人の一面を形作る。

本で知識をつけたって忘れるものは忘れる。でも心が動いた経験は忘れない。それらは自分を動かし続け、聞き手の心にも残るストーリーとなる。

 

4年前のキリマンジャロ登山、深夜に行った山頂アタック。マイナス20度の極寒の中、ふと振り返った僕の目に飛び込んできた遠くで燦然と輝く大都市群の光、山頂について撮った1枚の写真、そして下山後のシャワーの最高の気持ちよさ、そして山頂の岩陰に放置された大量の乾燥した○○○が広がる光景(失礼)は決して色あせることはない。

 

だからインターネットがどんなに発展しても面白そうだと思ったら飛び込んでみたいし、結果的に痛い目を見ることは・・・意外とないがそのうちにあるのか??少なくとも嫌がる周りを引っ張ってばかりいた気がする。(申し訳ない)

 

年の影響嫌でも感じる。腰が痛い、筋肉痛が治らない、ある同級生は大家族を築き、またある同級生は急激に老けこむ。もう良い年だ。

それでもこうして御年70歳近くのあんなすごい人にあったら、『良い年なんだから』なんて弱音を吐いていられない。

 

関係ないがロブスターが非常にうまい季節になってきた。食べた後に殻を煮込んでスープを作るのにはまっていてもう既に3回食べた。シーズン中に何匹食えるだろうか。

きっかけは

日本人が無意識に好んで使う言葉の1つが”きっかけ”ではなかろうか。

“障害者支援を始められたきっかけはなんですか?”

“医者になろうと思ったきっかけは?”

 

僕はこのきっかけという言葉が嫌いだ。

それは均質という日本人の持つ共同幻想が見え隠れするからだ。(言ってる人はそこまで考えてないんだろう)

“どんなに立派な人も皆元々は同じ人間、どんな活動を始める時も、そこに至る努力の積み重ねにもそれに至るだけの、万人に納得のいく理由があるはずだ。”

そんなのウソだ。人はそれぞれ違う。今持っている能力も性格も、元々の性質も、みな違う。

 

それで良いのだ。

 

アメリカにいると嫌でも思う。アフリカ系アメリカ人は足が速い。欧米人とサッカーすると当たりの強さに驚く。きっと知性も人種によって異なる。それを同じだと言うほうが不条理だ。(だからこそPolitically Correctness が必然なのだ)それは人種レベルを超えて個人間でも当然同じだろう。

 

人はみな違う。そのシンプルな事実を受け入れることで初めて自分が正しく見えるのではないか。

自分が見えて人が見えて、初めて人の役に立てる。リーダーシップが発揮できる。世の中が見える。そして自分がどう貢献するか考えることに現実味が出て戦略が立つ。

医学部時代の同期、アメリカにいる3人で今週末Philadelphiaへ旅行に行ってきた。

少しずつ共有できる話題は減ってきた。その代わりそれぞれが違う世界で研鑽してきたことで心に響く話が出来た。

助け合えたら、一緒に何か作れたらそりゃあ素晴らしいけど、そんなものは無くたってこの関係が続けばいい。

そう心から思えるような、満たされたひと時を過ごせた。

 

人はみな違う。だから愛する後輩の為に考え抜いたアドバイスも、思ったほどには通じない。

だから言葉を尽くすんだ。だから僕はブログを書いている。Writing is thinking。考えを言語化する作業が思考を研ぎ澄ましてくれると思う。

 

残念ながら、聞き手を全く無視して話したいことを延々と語る人が少なくない。

年を取ると自然とコミュニケーション能力が下がるんだろうか。経験上男性に多い。

残念ながら生まれ持った物が女性とは違うんだろう。

僕はそうはなりたくない。寂しがりだから、いくつになっても心が通い合う対話を積み重ねていきたい。

 

人はみな違う。だから努力すれば夢が叶うとは限らない。

才能のある人が、正しい方法で、十分な量積み重ねた努力が、運を伴って初めて花開く。

才能があるかなんてどうすれば分かるのか、そこで初めて努力が意味を持つ。

死ぬほどやって、それでもダメだったら才能がないんだろう。そしたら辞めたら良い。少なくともそのことには才能がないんだから。

次のことを頑張ってまたダメだったら辞めたら良い。そうしてるうちにきっと何かうまくいく。

Harvardの卒業式でMark Zuckerbergも言っていた。失敗しても良い環境が優秀な多くの起業家を生む。

色んな事に挑戦して必死に努力して、うまくいったら最高だね。でも何をやってもダメだったら・・・

考えたくも無いけど、でもきっとそんな人生は幸せだ。

僕はこれからそれを証明したい。

 

そんなことを帰りの機内で考えていた。

 

インターンも残すはちょうど半分、来週も頑張ろう

 

ビジネスモデルの二極分化

たまにはビジネススクールらしいことを

 

Paypal founder, Peter Thierの授業によると世の中のほとんどの産業はMonopolyかPerfect Competitionらしい。しかしそれがあまり知られていないのは彼らがつく2パターンのウソのせいとのこと。

独占企業の場合は自身の関わる事業の市場規模を大きく、逆に企業が完全競争にいる経営者は市場規模を小さく語る。これらは両者のインセンティブの違いからくる。

独占企業は規制当局に目をつけられたくない。GoogleならSearch Engineの市場の60%以上を抑えているもののそれをAdvertising、もしくはConsumer techと語ることで見た目のシェアが非常に小さくなる。こうしてうまく独占状態を築いたテック企業は近年目覚ましい成長を見せてきた。

また厳しい競争にさらされている企業は投資家に対し自身のビジネスが有利に運んでいるように見せたい。レストランは通常どこでも厳しい競争にさらされている。しかしAlston(MITの近くのエリア)唯一のイギリス料理、とくくると競争優位性が築かれている様だ。(なんだか和製メッシみたいだ)

 

すると見た目の競争状態(白抜き〇)はこうなる。

各企業(産業でも良い)の置かれた競争状態の見た目と実際

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僕が1年間多くのスタートアップのピッチを見てきた、またしてきた中で重要なのはCompetitor Landscape、市場規模とプレーヤー状況、そこから想定される競争優位性と獲得シェアそして将来のキャッシュフロー予測だ。この際に自身の競争環境をどこに置くのかで印象が全然違ってくる。小さい市場で手堅く勝つのか、大きい市場で羽ばたく夢を描くのか。どちらもカバーしているようにうまく見せかけたStoryを語れる人が勝つことが多いように見えるし結果的にそうやって投資家やチームメンバーをうまく惹きつけた人が勝つのだろう。

 

実は我々のスタートアップが、医療界のエジソンRobert Langer教授(以前記したMITの名物教授だ)にピッチをするチャンスを得ることが出来た。決戦は来週火曜日。彼が手掛けてきた技術はステント用徐放剤を支えるポリマーからシャンプーまで実に多彩だがよく言われているのは応用の効く、大きく跳ねるビジネスを好むということ。千載一遇のチャンスを活かすヒントはここにあるのかも・・・?(スタートアップについてはIPの議論を待ってアップデートしたい)

 

 

 

 

 

Amygdala Hijack

<span class="wysiwyg-font-size-festy-large">心に刻んでおきたいお言葉。</span>恐怖心に呑みこまれてしまっては、委縮してしまって出せる力も出し切れないかもしれません。<br><br>一度はその経験をしてしまったゴリだからこそ、辿りつけた境地でしょう。

試合前の恐怖心は誰にでもあるもの それから逃げずに受け止めそして乗り越えた時に初めて理想の精神状態にたどりつける さすが赤木君たどりついたね(スラムダンクより)

 

英語と生理学のお話

 

"テンパるな・・・"

何度思ったことだろう(特に昨秋だ、いや今でもあるか)。緊張すればするほど英語が出てこない。授業中、喋りたいことが出来た直後、前の人が話し終わるのを待ち手を挙げ、教授に名前を呼ばれ話し出し、注目を集めるまでの数10秒に高まる緊張。話す内容は一語一句考えてあるのでなんとか言える。だがもうそれであっぷあっぷ。

Insightfulなことを言えてもその後の議論は自分抜き、だって頭が固まってしまって全然使えない。昨日の誕生日会ではあれだけ熱い議論が出来たのに。(もちろん英語でだ、内容はたしか出生率の変化度合いと絶対値、どちらが人口動態に与える影響が大きいか。どうでも良いんだ)

 

モルガンスタンレー3年目の春。2013年だ。誰しもが抱いていた強気な予想に反し債券価格は急落(荒い例えだが10分ごとに日経平均が3000円下がって2000円上がってまた5000円下がる様な感覚)。自分も年間予算の何倍損しただろう。見たことない速度で上げ下げする相場を前にただ立ち尽くすのみ。”何もしない決断をする”ことで精一杯。うまく立ち回れたら年末まで働かなくて良い上にボーナスも、昇進も思うままに出来るほど儲けられたのに。自分てもっと賢いと思っていた・・・

 

ところで脳は2部分に分けられる。

 

大脳辺縁系:偏桃体とか、原始的な機能を司る。感情、恐怖、性欲、強欲。視覚を通じてスイッチが入るとされている(覚えがないだろうか、僕にはある)

新皮質:進化の過程で出来上がった部分。計算、論理的思考、言語能力など人間固有とされる能力を司る。

 

これらが面白くもやっかいなのは協調して働くという建前の実、お互いがお互いに反作用的に働くということ。(要は一度にどちらかしか使えない)

 

だから恐怖のスイッチが入って大脳辺縁系に支配されちゃった脳はもう理論的な判断をくだせない。これをAmygdala(=偏桃体) hijackと言うらしい。

 

悪いことではない。現代人の不都合は大抵、原始時代の便利な機能の名残だ。原始時代、危機に直面したら一刻も早く逃げないといけなかった。(Fight or FlightってきっとほとんどFlightだよね。)今だって誰かが溺れてたら考えてる時間などない。助けないと。(ちなみにそんな経験はない)

 

しかしテンポの早い議論で外国語を操るとか、百戦錬磨の投資家達に打ち勝って千金を手にするとかいう高度知的活動にこれは非常にまずい。(哀れ若手トレーダーはキャリアの危機に追い込まれた)金融市場は万人の知恵の結晶、効率的市場仮説も知性を失った元賢者の暴動には脆い。

 

逆にきっと、楽しめたからうまくいったとか、夢中でやった時の力ってこういうことだ。だから僕はこれからも楽しむことのできる能力を大事に育てて行きたいと思うし皆そうすれば良いのになーと強く思う。それは不真面目なんかじゃない。みんなほんとはもう少しすごい。

 

 

 

 

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Amygdala Hijackとなおざりにされる前頭葉

 

The hardest part is done??

午後7時、インターン中ながら連日飲み歩いているせいで非常に眠く家のベッドで横になる。

突然けたたましい音を立てたiPhoneをのぞくとなんと洪水警報発令。

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と同時に外からもけたたましい音とともに大雨、典型的な夏の雷雨だった。

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1つ上の学年のWeiを待たせていたため仕方なく外出準備、お気に入りの中華料理屋へと走る。(中華は世界どこの都市でも1つはうまいレストランがあると思うのは僕だけだろうか、反対に和食には大抵苦労する。そして高い。)

 

卒業し同級生たちがそれぞれの国へ帰る、もしくは就職先へと旅立つ中で大学の寮に残り続けているというWeiは台湾人医師でボストンでどうしても就職がしたいらしく日々奮闘しているのこと。

 

『苦戦しているが多くの人からフィードバックをもらうことが出来た。自分の医師としてのキャリアはプラスにはなるがビジネス経験の無さがネックになっている。何より人をマネージした経験の無さが不安視されているようだ。』

 

『なるほど。(ていの良い言い訳をされているだけでは・・・)Medical Affairとか臨床経験が直接活きる職種は?○○○(人数的には小規模だが良い薬と優秀な人たちで知られるバイオテック、原題にした本も出版されている)で誰かBusiness Developmentが出来る人を探しているという話だったけどそっちはどう??』

 

『あそこが募集しているロールはファイナンス寄りなので自分には無理だ。あとMedical Affair はあまりやりたくない。それよりコンサルで探してみようと思っている。もう時期は過ぎてしまっているけどなんとかなると信じている。The hardest partはMBAに入ること。そこはもう超えているんだから大丈夫。』

 

グローバルエリートへの道は中々に厳しい。

その後もお互いの近況報告や馬鹿話をしているうちにたまたま居合わせた他の卒業生も加わり会は思わぬ形で大きく。

 

今日はさすがに早く寝なければと途中で切り上げ(これが毎日出来れば苦労しない)外に出た頃には雨は上がり涼しい夏の夜に。

 

Weiとは同じMDということで入学前から色々話を聞かせてもらったことが始まりで早くも2年近くの付き合いになる。

何より彼が今直面している現実は自分の行く道かもしれないと思うと本当に笑えないがただただGood luckを願うのみだ。

 

 

Pay it forward

こちらの風土で気に入っていることの1つが人々のapproachableさだ(気さくさ、とでも言えるか)。

 

人の馴れ馴れしさ。初対面ですれ違う人々や会社でパントリーで鉢合わせた初対面の同僚と気軽に中身の無い会話を交わす距離の近さは寂しがりの?僕には心地が良い。

 

また就活における大切さが身に染みたことをきっかけに始めたNetworking。

LinkedinでAlumniを検索しいきなりメール送信。”It would be wonderful if you could talk about what you are doing and how you have navigated your career path over coffee, lunch, or something."

 

返信率の高さに驚き調子に乗って偉い人(時価総額数10bnのCがつく職の人)や就職には関係ないけど話聞いてみたいと思った人たちにコンタクトをとってもほぼ皆が何かしら反応をくれる。

 

それはインターンしている会社内でも同じで本当に色んな人の色んな話を聞いてきた。そこから得たものはちょっと簡単には語りきれないが少しずつ書き残していきたい。

 

1つのアドバイス、これは僕が尊敬する日本人のアラムナイで私費留学後起業し2-3年ですでに10億以上(たぶん)調達している起業家からのものを紹介したい。

"僕がMITにきた時の英語は酷かったですよwポイントは2つで、まずは英語を仕事で使うと自然にうまくなる、あとは文法や語彙よりも発音ですね"

インターンが一か月経ってこの言葉が身に染みている。英語には本当に苦労し続けているが最近ようやくビジネスでまともにやれるレベルに至ってきた。(まだまだだけどね)

久々に同級生と話して再認識したがMBAは下手な英語に異様に寛容だ。どんなにたどたどしくてもニコニコしながら聞いてくれる。あれじゃあ聞き手が緊張してしまうのではないかと思えるくらい。また(恐らく)

 

発音の重要性もだ。Brandedと発音したつもりがBlind?と聞き返される。プレゼンの練習のために録音した自分の英語の分かりづらさを聴いて愕然とする。これじゃあ電話で音質悪くなったら猶更通じないわ。モルガンスタンレー時代にシコシコと2年間も発音矯正してきたのに・・・と思いつつ理論は理解しているのでまたシコシコと改善。

 

最後に、一番難しいのはタイトルにもしたPay it forward。自分もなんとか還元したいと思いつつも、現状は助けてもらった経験10に対して何か後輩に返したのは誇張抜きで0.3くらい?いつかは自分も・・・

 

蛇足だが、昔見た映画のPay it forwardで主演していた麗しき少年(six senseにも出ている)が変わり果てた姿は地獄のミサワによく似ていると思うのは僕だけだろうか。

 

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Dear Hiring Manager

随分と期間が空いてしまった。

大好きなエクセルで計算してみると228日ぶりの更新。

厳しい冬を超え(シャワー後外出すると髪が凍る)、コアセメスター、更に1セメスターを終えボストンは穏やかな夏に。

厳しく殺風景だった町が艶やかに姿を変えるとともに自分の中にも経験の蓄積、価値観の変化など色々あった。

どこから書いたら良いか分からないが気軽に1ページずつ更新していこうと思う。

 

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タイトルのDear Hiring Managerとはある職への応募者が祈られた際に送ったとされるメール(画像添付)から。

結局のところ抵抗むなしくオファーには至らなかったなかったようだが、求職の拒絶を拒絶し話題にはなった彼(彼女?)のCreativeさには敬意を表したい。

これが人ごとに思えず今回取り上げたのはトランプ政権のせいで空前の(たぶん)International生(非アメリカ人)就職氷河期に四苦八苦した経験からだ。

最終的にこちらのバイオテック企業でのインターンにありつけたが、その過程には応募数65、そのことごとくが面接にすら呼ばれず数か月に渡る苦しい戦いを強いられた。

何を試しても落とされ落とされ落とされ(表題メール送信者のようなクリエイティブさがあったらよかったのかもしれない)、自信を失い切ったところで辿り着いた最初にもらったフィードバック"Show more confidence"の発揮仕方が分かってきたこと、それと同時に夏直前の募集が一気に出てきたタイミング、そしてJapan Trekで心身ともにうまくリフレッシュできたことが重なりなんとか機会を得られた。

息つく暇もなく始まったインターン、そして始まってすぐの時点で知らされたインターン直後のオファーは出ないというなかなかタフな事実。

 

まだまだ楽はさせてもらえなさそうだ。