ビジネスモデルの二極分化

たまにはビジネススクールらしいことを

 

Paypal founder, Peter Thierの授業によると世の中のほとんどの産業はMonopolyかPerfect Competitionらしい。しかしそれがあまり知られていないのは彼らがつく2パターンのウソのせいとのこと。

独占企業の場合は自身の関わる事業の市場規模を大きく、逆に企業が完全競争にいる経営者は市場規模を小さく語る。これらは両者のインセンティブの違いからくる。

独占企業は規制当局に目をつけられたくない。GoogleならSearch Engineの市場の60%以上を抑えているもののそれをAdvertising、もしくはConsumer techと語ることで見た目のシェアが非常に小さくなる。こうしてうまく独占状態を築いたテック企業は近年目覚ましい成長を見せてきた。

また厳しい競争にさらされている企業は投資家に対し自身のビジネスが有利に運んでいるように見せたい。レストランは通常どこでも厳しい競争にさらされている。しかしAlston(MITの近くのエリア)唯一のイギリス料理、とくくると競争優位性が築かれている様だ。(なんだか和製メッシみたいだ)

 

すると見た目の競争状態(白抜き〇)はこうなる。

各企業(産業でも良い)の置かれた競争状態の見た目と実際

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僕が1年間多くのスタートアップのピッチを見てきた、またしてきた中で重要なのはCompetitor Landscape、市場規模とプレーヤー状況、そこから想定される競争優位性と獲得シェアそして将来のキャッシュフロー予測だ。この際に自身の競争環境をどこに置くのかで印象が全然違ってくる。小さい市場で手堅く勝つのか、大きい市場で羽ばたく夢を描くのか。どちらもカバーしているようにうまく見せかけたStoryを語れる人が勝つことが多いように見えるし結果的にそうやって投資家やチームメンバーをうまく惹きつけた人が勝つのだろう。

 

実は我々のスタートアップが、医療界のエジソンRobert Langer教授(以前記したMITの名物教授だ)にピッチをするチャンスを得ることが出来た。決戦は来週火曜日。彼が手掛けてきた技術はステント用徐放剤を支えるポリマーからシャンプーまで実に多彩だがよく言われているのは応用の効く、大きく跳ねるビジネスを好むということ。千載一遇のチャンスを活かすヒントはここにあるのかも・・・?(スタートアップについてはIPの議論を待ってアップデートしたい)

 

 

 

 

 

Amygdala Hijack

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試合前の恐怖心は誰にでもあるもの それから逃げずに受け止めそして乗り越えた時に初めて理想の精神状態にたどりつける さすが赤木君たどりついたね(スラムダンクより)

 

英語と生理学のお話

 

"テンパるな・・・"

何度思ったことだろう(特に昨秋だ、いや今でもあるか)。緊張すればするほど英語が出てこない。授業中、喋りたいことが出来た直後、前の人が話し終わるのを待ち手を挙げ、教授に名前を呼ばれ話し出し、注目を集めるまでの数10秒に高まる緊張。話す内容は一語一句考えてあるのでなんとか言える。だがもうそれであっぷあっぷ。

Insightfulなことを言えてもその後の議論は自分抜き、だって頭が固まってしまって全然使えない。昨日の誕生日会ではあれだけ熱い議論が出来たのに。(もちろん英語でだ、内容はたしか出生率の変化度合いと絶対値、どちらが人口動態に与える影響が大きいか。どうでも良いんだ)

 

モルガンスタンレー3年目の春。2013年だ。誰しもが抱いていた強気な予想に反し債券価格は急落(荒い例えだが10分ごとに日経平均が3000円下がって2000円上がってまた5000円下がる様な感覚)。自分も年間予算の何倍損しただろう。見たことない速度で上げ下げする相場を前にただ立ち尽くすのみ。”何もしない決断をする”ことで精一杯。うまく立ち回れたら年末まで働かなくて良い上にボーナスも、昇進も思うままに出来るほど儲けられたのに。自分てもっと賢いと思っていた・・・

 

ところで脳は2部分に分けられる。

 

大脳辺縁系:偏桃体とか、原始的な機能を司る。感情、恐怖、性欲、強欲。視覚を通じてスイッチが入るとされている(覚えがないだろうか、僕にはある)

新皮質:進化の過程で出来上がった部分。計算、論理的思考、言語能力など人間固有とされる能力を司る。

 

これらが面白くもやっかいなのは協調して働くという建前の実、お互いがお互いに反作用的に働くということ。(要は一度にどちらかしか使えない)

 

だから恐怖のスイッチが入って大脳辺縁系に支配されちゃった脳はもう理論的な判断をくだせない。これをAmygdala(=偏桃体) hijackと言うらしい。

 

悪いことではない。現代人の不都合は大抵、原始時代の便利な機能の名残だ。原始時代、危機に直面したら一刻も早く逃げないといけなかった。(Fight or FlightってきっとほとんどFlightだよね。)今だって誰かが溺れてたら考えてる時間などない。助けないと。(ちなみにそんな経験はない)

 

しかしテンポの早い議論で外国語を操るとか、百戦錬磨の投資家達に打ち勝って千金を手にするとかいう高度知的活動にこれは非常にまずい。(哀れ若手トレーダーはキャリアの危機に追い込まれた)金融市場は万人の知恵の結晶、効率的市場仮説も知性を失った元賢者の暴動には脆い。

 

逆にきっと、楽しめたからうまくいったとか、夢中でやった時の力ってこういうことだ。だから僕はこれからも楽しむことのできる能力を大事に育てて行きたいと思うし皆そうすれば良いのになーと強く思う。それは不真面目なんかじゃない。みんなほんとはもう少しすごい。

 

 

 

 

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Amygdala Hijackとなおざりにされる前頭葉

 

The hardest part is done??

午後7時、インターン中ながら連日飲み歩いているせいで非常に眠く家のベッドで横になる。

突然けたたましい音を立てたiPhoneをのぞくとなんと洪水警報発令。

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と同時に外からもけたたましい音とともに大雨、典型的な夏の雷雨だった。

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1つ上の学年のWeiを待たせていたため仕方なく外出準備、お気に入りの中華料理屋へと走る。(中華は世界どこの都市でも1つはうまいレストランがあると思うのは僕だけだろうか、反対に和食には大抵苦労する。そして高い。)

 

卒業し同級生たちがそれぞれの国へ帰る、もしくは就職先へと旅立つ中で大学の寮に残り続けているというWeiは台湾人医師でボストンでどうしても就職がしたいらしく日々奮闘しているのこと。

 

『苦戦しているが多くの人からフィードバックをもらうことが出来た。自分の医師としてのキャリアはプラスにはなるがビジネス経験の無さがネックになっている。何より人をマネージした経験の無さが不安視されているようだ。』

 

『なるほど。(ていの良い言い訳をされているだけでは・・・)Medical Affairとか臨床経験が直接活きる職種は?○○○(人数的には小規模だが良い薬と優秀な人たちで知られるバイオテック、原題にした本も出版されている)で誰かBusiness Developmentが出来る人を探しているという話だったけどそっちはどう??』

 

『あそこが募集しているロールはファイナンス寄りなので自分には無理だ。あとMedical Affair はあまりやりたくない。それよりコンサルで探してみようと思っている。もう時期は過ぎてしまっているけどなんとかなると信じている。The hardest partはMBAに入ること。そこはもう超えているんだから大丈夫。』

 

グローバルエリートへの道は中々に厳しい。

その後もお互いの近況報告や馬鹿話をしているうちにたまたま居合わせた他の卒業生も加わり会は思わぬ形で大きく。

 

今日はさすがに早く寝なければと途中で切り上げ(これが毎日出来れば苦労しない)外に出た頃には雨は上がり涼しい夏の夜に。

 

Weiとは同じMDということで入学前から色々話を聞かせてもらったことが始まりで早くも2年近くの付き合いになる。

何より彼が今直面している現実は自分の行く道かもしれないと思うと本当に笑えないがただただGood luckを願うのみだ。

 

 

Pay it forward

こちらの風土で気に入っていることの1つが人々のapproachableさだ(気さくさ、とでも言えるか)。

 

人の馴れ馴れしさ。初対面ですれ違う人々や会社でパントリーで鉢合わせた初対面の同僚と気軽に中身の無い会話を交わす距離の近さは寂しがりの?僕には心地が良い。

 

また就活における大切さが身に染みたことをきっかけに始めたNetworking。

LinkedinでAlumniを検索しいきなりメール送信。”It would be wonderful if you could talk about what you are doing and how you have navigated your career path over coffee, lunch, or something."

 

返信率の高さに驚き調子に乗って偉い人(時価総額数10bnのCがつく職の人)や就職には関係ないけど話聞いてみたいと思った人たちにコンタクトをとってもほぼ皆が何かしら反応をくれる。

 

それはインターンしている会社内でも同じで本当に色んな人の色んな話を聞いてきた。そこから得たものはちょっと簡単には語りきれないが少しずつ書き残していきたい。

 

1つのアドバイス、これは僕が尊敬する日本人のアラムナイで私費留学後起業し2-3年ですでに10億以上(たぶん)調達している起業家からのものを紹介したい。

"僕がMITにきた時の英語は酷かったですよwポイントは2つで、まずは英語を仕事で使うと自然にうまくなる、あとは文法や語彙よりも発音ですね"

インターンが一か月経ってこの言葉が身に染みている。英語には本当に苦労し続けているが最近ようやくビジネスでまともにやれるレベルに至ってきた。(まだまだだけどね)

久々に同級生と話して再認識したがMBAは下手な英語に異様に寛容だ。どんなにたどたどしくてもニコニコしながら聞いてくれる。あれじゃあ聞き手が緊張してしまうのではないかと思えるくらい。また(恐らく)

 

発音の重要性もだ。Brandedと発音したつもりがBlind?と聞き返される。プレゼンの練習のために録音した自分の英語の分かりづらさを聴いて愕然とする。これじゃあ電話で音質悪くなったら猶更通じないわ。モルガンスタンレー時代にシコシコと2年間も発音矯正してきたのに・・・と思いつつ理論は理解しているのでまたシコシコと改善。

 

最後に、一番難しいのはタイトルにもしたPay it forward。自分もなんとか還元したいと思いつつも、現状は助けてもらった経験10に対して何か後輩に返したのは誇張抜きで0.3くらい?いつかは自分も・・・

 

蛇足だが、昔見た映画のPay it forwardで主演していた麗しき少年(six senseにも出ている)が変わり果てた姿は地獄のミサワによく似ていると思うのは僕だけだろうか。

 

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Dear Hiring Manager

随分と期間が空いてしまった。

大好きなエクセルで計算してみると228日ぶりの更新。

厳しい冬を超え(シャワー後外出すると髪が凍る)、コアセメスター、更に1セメスターを終えボストンは穏やかな夏に。

厳しく殺風景だった町が艶やかに姿を変えるとともに自分の中にも経験の蓄積、価値観の変化など色々あった。

どこから書いたら良いか分からないが気軽に1ページずつ更新していこうと思う。

 

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タイトルのDear Hiring Managerとはある職への応募者が祈られた際に送ったとされるメール(画像添付)から。

結局のところ抵抗むなしくオファーには至らなかったなかったようだが、求職の拒絶を拒絶し話題にはなった彼(彼女?)のCreativeさには敬意を表したい。

これが人ごとに思えず今回取り上げたのはトランプ政権のせいで空前の(たぶん)International生(非アメリカ人)就職氷河期に四苦八苦した経験からだ。

最終的にこちらのバイオテック企業でのインターンにありつけたが、その過程には応募数65、そのことごとくが面接にすら呼ばれず数か月に渡る苦しい戦いを強いられた。

何を試しても落とされ落とされ落とされ(表題メール送信者のようなクリエイティブさがあったらよかったのかもしれない)、自信を失い切ったところで辿り着いた最初にもらったフィードバック"Show more confidence"の発揮仕方が分かってきたこと、それと同時に夏直前の募集が一気に出てきたタイミング、そしてJapan Trekで心身ともにうまくリフレッシュできたことが重なりなんとか機会を得られた。

息つく暇もなく始まったインターン、そして始まってすぐの時点で知らされたインターン直後のオファーは出ないというなかなかタフな事実。

 

まだまだ楽はさせてもらえなさそうだ。

出席率?

大学時代、僕はシコい(がり勉)と評判だったけど授業にはほとんど出たことがなかった。"ほとんどの先生は教えるの下手だよね。あんなつまらない授業出るなら自分でやった方が効率良いじゃん"なんて生意気なこと、本気で思って言っていた。嫌いな科目はとことん勉強しなかった。”こんなの勉強しても何の役にも立たないから。”

 

また出席率と反比例するかのようにテスト対策の技術はどんどん上がり、5-6年生の頃は過去問を解いてポイントを押さえればデュプロ(クラス皆で作った教科書)すら読み込まなくてもほとんど全ての試験をパスできた。

 

でも小さな罪悪感は募るばかり。授業出ない分、ほんとに勉強できてた??あの時役立たないと思ってたものはほんとに勉強せずによかったのか?”まっくす(僕の大学自体のあだ名)は要領良いよねー”とか言われても、授業にちゃんと出てるやつらの方が体系的で網羅的、そして簡単には忘れない確かな知識を身に着けているのは肌で感じていた。

 

だからこっちに来てからは授業は全部出るようにしている。大統領選の翌朝はさすがに、トランプが勝ったショックでダラけた。”今日くらい良いかな”って思ったけどムチをうち学校へ。先日久々に日本人クラスメイトで集まったとき僕の出席率を聞いて別の同級生は驚いていた。(そんなに怠惰そう?笑)

 

同級生の中には授業にあまり来なかったり、内職したり、ケータイばっかりいじるやつもいる。(人間そこのところは大人になってもあまり変わらないのかも)会計や統計の必修科目はどこかで聞いたことのあるような内容が多いのも事実だ。それでもノーベル賞級の学者たちが一生懸命練り上げ、彼らの手で教えてくれる授業に何か得られる物はあるはずだしあやふやだった知識の復習にもなる。

 

また初めて受ける欧米式の授業、発言する内容やタイミングも苦労したけど今ではだいぶ慣れて一授業で一回くらいは発言出来るようになってきた。そもそも教授やクラスメイトが何を言っているか理解しきれない状態で始めて、毎回授業で最前列に座り、発言しようと頭を働かせ続けることで(改めて書いてみると優等生だなー)基礎的な英語力、リスニング・スピーキングはもとより英語で考える力はだいぶ伸びたと思う。これからも、少しずつ伸ばしていけると良いな。

 

いよいよ来学期からは選択授業だけ。自分の興味を目一杯掘り下げて、存分に学んでいきたい。

 

 

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クラス風景、誰かが誕生日の時は皆で祝うのが恒例

Thanks giving

モルガン入社3年目、日銀の異次元緩和が始まって債券市場はリーマンショック以来の荒れ相場、毎日自分の年収以上の金額を失いトレーディング権は剥奪寸前。若手の儚い自信は粉々に打ち砕かれ、五里霧中でもがくも回復できる目途は全く経たず辛い日々。

 

そんな折たまたま職場ビル内のジムの会員権を譲り受ける。ブローカーの方からも勧められたし、入社以来高騰続きだったエンゲル係数、飲酒量から蓄えたビール腹の一助になればと思い昼休みの運動をスタート。トレッドミルはつまらないしまずはプールへ。どうやらジムに通ってる人たちの間では1kmくらい泳げて1人前らしい?先輩セールスでは週数回3km泳いでからサウナに30分入ることを習慣にされている方も。いっちょ泳いでみるかー。

 

・・・・・100m泳ぐのってこんなにきつかったっけ?そしてなぜか恐怖感???

 

思い返してみると小さいころから水が怖くて、お風呂に入れてもらっては泣いてばかり。小学校でも水泳が大嫌い。高学年まではせいぜい10m程しか泳げず、授業のある日は天気が悪くなるよう密かに神さまにお祈りしてたような子供だったのでした。

 

とはいえそのままでは悔しいのでそこからは水泳が日課に。キツいし恐いけどこれくらいは自分に勝たないと自信は取り戻せないと思い毎昼プールに通い続ける。少しずつ実力が伸びていく体育会的な喜びを久々に感じながらようやく止まらずに1km泳げるように。

 

そのまま運動は今まで習慣として続いているけど、うまく追い込めた後の気持ちは爽快だし、社会人になっても色んなスポーツをやる中でリフレッシュ方法として大切にしてきた。(だからJust for funみたいなスポーツはあまり楽しくない笑)冗談でなく、あの時先輩から譲り受けたジムの会員権が僕をウツから救ったのかもしれない。

 

・・・・なんてことを1000ヤード(MITのプールは1コース25ヤード)泳いだ後のシャワーで思い出していた。

 

MBAやビジネス本で良く言われてることだがGetting out of your comfort zone、居心地の良い場所から積極的に出ていくことは様々な意味で大切だ。思い返してみると入学後3ヵ月間は何もかもが新しいことばかり。幸か不幸かcomfort zoneにいれることなんてほとんどなかった。とは言え今週はThanks giving休暇ということで一休み。

 

First semesterもいよいよ終盤。残りの休暇もしっかり休んでリフレッシュして、年末の課題ラッシュとFinalに備えたい。

 

調子に乗って七面鳥やらなんやらを食べ過ぎて次郎後のような満腹感に酔いしれながら、決意を新たにした。なんだか食べてばかりだなあ・・・

 

 

 

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昨日はRoom mateのMikeの実家で本場のThanks giving dinnerを味わう。さすがMikeの家族はみな良い人で、僕が良く食べると聞いてなんと18ポンドの七面鳥を用意してくださっていた。たらふく食べたところで妹さんの手作りのデザートを勧められ、僕の腹はほぼ限界に。笑

 

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たまたま見かけた野生の七面鳥の行進。仲間を返せ?

 

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今日はあえての七面鳥で参鶏湯風に。自炊は相変わらず鍋物ばかり