Thanks giving

モルガン入社3年目、日銀の異次元緩和が始まって債券市場はリーマンショック以来の荒れ相場、毎日自分の年収以上の金額を失いトレーディング権は剥奪寸前。若手の儚い自信は粉々に打ち砕かれ、五里霧中でもがくも回復できる目途は全く経たず辛い日々。

 

そんな折たまたま職場ビル内のジムの会員権を譲り受ける。ブローカーの方からも勧められたし、入社以来高騰続きだったエンゲル係数、飲酒量から蓄えたビール腹の一助になればと思い昼休みの運動をスタート。トレッドミルはつまらないしまずはプールへ。どうやらジムに通ってる人たちの間では1kmくらい泳げて1人前らしい?先輩セールスでは週数回3km泳いでからサウナに30分入ることを習慣にされている方も。いっちょ泳いでみるかー。

 

・・・・・100m泳ぐのってこんなにきつかったっけ?そしてなぜか恐怖感???

 

思い返してみると小さいころから水が怖くて、お風呂に入れてもらっては泣いてばかり。小学校でも水泳が大嫌い。高学年まではせいぜい10m程しか泳げず、授業のある日は天気が悪くなるよう密かに神さまにお祈りしてたような子供だったのでした。

 

とはいえそのままでは悔しいのでそこからは水泳が日課に。キツいし恐いけどこれくらいは自分に勝たないと自信は取り戻せないと思い毎昼プールに通い続ける。少しずつ実力が伸びていく体育会的な喜びを久々に感じながらようやく止まらずに1km泳げるように。

 

そのまま運動は今まで習慣として続いているけど、うまく追い込めた後の気持ちは爽快だし、社会人になっても色んなスポーツをやる中でリフレッシュ方法として大切にしてきた。(だからJust for funみたいなスポーツはあまり楽しくない笑)冗談でなく、あの時先輩から譲り受けたジムの会員権が僕をウツから救ったのかもしれない。

 

・・・・なんてことを1000ヤード(MITのプールは1コース25ヤード)泳いだ後のシャワーで思い出していた。

 

MBAやビジネス本で良く言われてることだがGetting out of your comfort zone、居心地の良い場所から積極的に出ていくことは様々な意味で大切だ。思い返してみると入学後3ヵ月間は何もかもが新しいことばかり。幸か不幸かcomfort zoneにいれることなんてほとんどなかった。とは言え今週はThanks giving休暇ということで一休み。

 

First semesterもいよいよ終盤。残りの休暇もしっかり休んでリフレッシュして、年末の課題ラッシュとFinalに備えたい。

 

調子に乗って七面鳥やらなんやらを食べ過ぎて次郎後のような満腹感に酔いしれながら、決意を新たにした。なんだか食べてばかりだなあ・・・

 

 

 

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昨日はRoom mateのMikeの実家で本場のThanks giving dinnerを味わう。さすがMikeの家族はみな良い人で、僕が良く食べると聞いてなんと18ポンドの七面鳥を用意してくださっていた。たらふく食べたところで妹さんの手作りのデザートを勧められ、僕の腹はほぼ限界に。笑

 

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たまたま見かけた野生の七面鳥の行進。仲間を返せ?

 

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今日はあえての七面鳥で参鶏湯風に。自炊は相変わらず鍋物ばかり

 

Orphan Drug

稀な病気はかえって儲かりやすく製薬会社のドル箱になっているのだと。。。

 

前記事(I wanna be Hervey Lodish - Carpe diem ~MIT MBA 留学記~)で触れたGenzymeだが『稀な病気の治療薬なのにもうかるのはなぜだろう?』と思い調べてみた。

 

1) Orphan Drug Act

全米で患者数200,000人以下の疾患の治療薬を対象に開発費補助、通常より長い特許や税制優遇が成される制度

 (Orphan Drug Act、背景:1980年頃、薬剤の安全面が重要視され開発費が跳ね上がった結果、製薬会社はこぞって主要疾患治療薬開発に注力するようになった。その結果見捨てられた孤児薬(Orphan Drug)の開発を促すため立法された。)

 

2) 相対的な開発の容易さ

特に代謝異常の疾患は副作用がでづらく臨床試験を進めやすい。またこういった病気は心情面が作用してかFDAからの承認が下りやすいとのこと

 

3) Patient Foundation

主に家族によって建てられた基金は時にNIHの補助金を超える金額を集金するんだとか

 

学生時代に実習で小児先天疾患の方々に接する機会もあったが、失われてしまう物のあまりの大きさを考えれば何はともあれ薬剤開発が促進されたのは喜ばしいことだと思う。

 

 

最近非常に高額な薬剤が出てきていることはMBA出願の際のエッセイのテーマにしていたこともあり、大きな関心があったので今回の勉強を一旦形にしてまとめておきたい。

 

特にこちらでヘルスケアについて学んでいるとGreedyな利益追求組織としての製薬会社の側面がどうしても強調されてしまう。実際のところ収入最大化の為に薬剤を高額で販売している部分もあるのだろう。

 

しかし開発・製造と莫大なコストがかかる以上、開発者のインセンティブを削がない形で治療が為されることは必要不可欠だと思う。僕の大好きなAndrew Lo教授も消費者金融を利用したFundingが利用できないかという趣旨の論文を出している。

 

よく言われるように人の叡智の産物は諸刃の剣だ。時に甚大な被害をもたらす一方で"正しく"使われれば大きな恩恵を受けることが出来る。

 

原子力が正しくそうだし、医学も、そして金融工学も同様だ。

 

2008年の金融危機は金融工学によって引き起こされた。負の側面として当時の被害があれだけ大きかったのは、正しく金融工学の正の部分のポテンシャルの大きさを証明する物ではないか。

 

それだけの恩恵を授けることが出来るのなら、リスクを鑑みて放棄するのではなく正しい活用法を生み出す方向に努力していきたいと強く思う。

 

 

 

I wanna be Hervey Lodish

~医学と金融の交差点にて~

先日CancerXというイベントに出た。

 

周知のとおり、抗癌剤の開発はハイリスクハイリターン。

統計によると$200millionの投資に対して5%の成功確率、10年を超える開発期間を経て成功した際には$12billionのリターンが得られるそうだ。

 

年間期待リターン11.6%と破格なのだが高すぎるリスクから投資がなかなか集まらない。実際バイオベンチャーの資本コストは10%を超えることもザラ。

 

そこで、$30billionの巨大fundを立ち上げ、確率理論上独立したプロジェクトを多数同時に回した上で証券化やCSR向けの投資資金を駆使すれば投資家へのリスクを減らせるのでは?というテーマについて金融、医学、そしてコンピューターサイエンスの人たちを巻き込んだ議論が行われた。

 

 

"これだけ自分のキャリアにフィットしたイベントもなかなか無い"と思い参加。久々に感じる興奮からかもしかしたら自分はこのために生まれてきたのかもしれない、と大げさながら感じてしまった。

 

 

また他のイベント参加者はBostonやNew Yorkから集まったトップクラスの医師やバンカーたちとそうそうたるメンバー。MBA生は僕だけという恵まれた状況で色々教えてもらえる良い実りの多い機会に。

 

 

ちなみに主催者のAndrew Lo教授はMITの看板教授の1人でBoston、New Yorkから集まったトップクラスの医師やバンカーたちが口を揃えて"He is a great thinker."と呼ぶ人だ。このイベント以降Youtubeで同教授の講演を何度も見ているが彼の話は本当に面白い。(授業を取るのが楽しみ)

 

題材のMega Fund、まだ具体的な話は始まっていない。残念ながらご本人も実際にFundを立ち上げる意思はないようだ。しかしこれだけ強烈に偉大な方が音頭を取っている限り、Mega Fundというバベルの塔もいつか日の目を見る日がくるのかもしれないと思わずにはいられない。

 

 

 

最後にAndrew Lo教授が好んで自身の講演に使うストーリーを紹介したい。

 

(以下引用)

私はHervey Lodishのようになりたい。

 

MITから歩いて数分のところにGenzymeという会社がある。

 

キレイなガラス張りの建物に入っているBio ventureは23年前、現MIT教授のHervey Lodishらによって作られた。

 

Gaucher病という非常に稀な先天性代謝疾患の治療薬の開発目的で作られた会社は後にSanofiというフランスの製薬会社に$20.1 billion (現レートで2.2兆円) という記録的な額で買収される。

 

しかし私が彼のようになりたいのは彼が大金を儲けたからではない。2002年に彼に起こったことが本当の理由だ。

 

2002年、彼の娘がAndrewという名の男の子を出産する。そのAndrew君がなんとGaucher病を患って生まれてきたのだ。なんという確率だろう。

 

私は医者でも生物学者でもない。

しかし金融の、Mega Fundの力によって私たちは家族を救えるかもしれない。

だからHervey Lodishのようになりたいと思うのだ。

(引用終了)

 

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Genzymeの施設の1つ。Bostonには大量の製薬企業・Bio Ventureが集積している

機会損失

先日MITの教授がノーベル経済学賞をとったことが話題になった。(彼はスローンでも教えている)

 

たまにAdmission office(入試担当部署)が使う宣伝文句の『MBAでは未来のノーベル賞受賞者の授業を受けられる』が現実になったわけだが皮肉にも経済学で最初に習うOpportunity cost、機会損失の存在が僕を授業から遠ざけようとしている…

 

渡米前、多くの先輩たちが口を揃えて言っていたことに違わずMBAでは非常に充実した多くのチャンスを得ることが出来る。

 

一例として、先日Robert Langer教授(Bio-engineeringの権威で厚さ3cmのCVと500のIP、そして30のspin-out企業を輩出してきた超人)の研究室で働く研究者に会うことが出来た。僕がBio分野でのスタートアップに興味があることを伝えると彼は研究室で最近できたチームがちょうどBusinessサイドの人間を探しているということで紹介してくれることになった。その上研究室のイベントに招待してくれ(教授本人にも会える。物凄くフランクな人柄とのこと)、更に最近のホットなトピックや彼自身の研究テーマであるdrug delivery polymerについて惜しみなく話してくれた。

 

また昨日訪れたCIC(Cambridge Innocation Center、起業家支援施設)で開かれていたVenture Caffeというイベントで出会ったシリアルアントレプレナーにも同様のことを伝えると僕が興味がありそうで、授業に出ながら関われそうなボストン界隈のスタートアップをいくつか紹介してくれるとのことで現在紹介日程調整中だ。

 

更に(まだある)MIT Ventureship programというMIT内での有望なスタートアップの人材募集プログラムに応募したところ2つの会社から引き合いがあり彼らとも協働することになった。

 

当然これだけやっていると授業の予習復習を満足のいくレベルまでやることは・・・難しい。渡米後2か月が経ったもののまだまだ機会の多さに振り回されているおり、多くを逸していたり(先ほども絶対行こうと思っていたHealthcareのHackasonを逃してしまっていたことに気が付いた)、力の入れどころが分からず四苦八苦しているのが現状だ。選択と集中を胸に頑張っていくつもりだが、少なくとも今のところ講義はその中心にはいない。

 

 

余談だが、未来のノーベル賞受賞候補者たちの授業は、必ずしも面白いものばかりではない。一方で衝撃的に面白い授業もある。たまには真面目に授業のことも書きたいがそれはまたの"機会"に・・・

 

 

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ベンチャーカフェの様子。ボストン付近のベンチャー関連の人々が集う。ビールとワインが飲み放題。3回までは誰でも入れるが4回目以降は各自のやり方のContributor案とそのReferenceを提出しないといけないらしい。どうしたものか・・・

 

C-function

木曜日の恒例行事はC-function。C = Cultureかと思いきやC = Concumption、ビールを皆で大量消費しましょうというなんともアメリカらしいネーミング。MBAに限らず多くの人が(実質ほぼ誰でも)参加可能で各国・地域・クラブが持ち回りで主催。

 

そして初回はなんとJapan。僕は初めてのオタ芸に挑戦ということで15年ぶりに夏休みの竹下通りを走り回りオタクグッズを買い集め、一足早く着いていた同級生たちはトレーラー作成、ポケモンショー練習。学期始めの重要な時期の開催ということもありみな否が応でも気合が入る。

 

寿司支給、キリンビール飲み放題で大々的に宣伝した結果、当日は800人と多くの参加者が集まる。(学生はタダ飯に弱いのです…)慌ただしい中開催されたものの太鼓演戯に始まりゲストによる着物ファッションショーなど充実した内容をスケジュール通りにやりきり几帳面な(僕は違うけどね)日本人の面目躍如!

 

 

酔っぱらった帰り道、駐車場入り口のバーにぶつけたろっ骨はまだ痛いけど、(折れてはいないらしい)僕らの最初の大仕事は見事成功に終わりました。

 

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ファッションショー参加者たち。過去の先輩たちの遺産でSloan日本人会には大量の、そして無秩序に多彩なコスチュームがある。ウルトラマンもその1つ。

 

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紅白の全身タイツで英語での司会に初挑戦。最大かつ唯一の武器である勢いだけは伝わったみたい。しばらく『お前があの白タイツだったのか、we gotta get your autograph!!』とちょっとした有名人に。

 

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オタ芸。コスチュームのアドバイスくださった方々、ありがとうございました。

 

 

TGIF!!

レース1時間前の金曜夜6時半、玄関を激しく叩く音により目を覚ます。

 

"Yes, I'm coming!!"

 

前日深酒したためかどうにも調子が出ず寝ていたところを起こされ不機嫌になりつつ

(僕は非常に寝起きが悪い)覗き窓から外を見ると、そこにはフェースペイントを塗りたくり顔のほぼ半分を真っ赤にしたMikeが満面の笑みを浮かべながら立っていた。

 

"Are you ready for running!?"

 

同じOcean(クラスみたいなもの)のMikeはカナダ人でSailing部所属。(なんとリオオリンピックのカナダ代表に帯同していたとか)手続き上のミスで僕が寮から引っ越さなければいけなくなった時に申し出てくれ最近ルームシェアを始めた。性格も男前でナイスガイなMikeはSloan Olympicの100m*4リレーにエントリーしていた僕が寝坊しないか心配して見に来てくれたのだった。

 

ネットワーキングが重要視されるMBAでは公式・非公式のイベントが毎週の様に開かれる。Sloan Olympicはリレー・手押し車・Dizzy bat (ぐるぐるバット?バットをおでこにつけて10回転した後の目が回った状態で競争する)・綱引きの四種目で構成される。

 

大学のサッカー部ではリゾート系(笑)スピードスター、前職では昼休みの皇居ランを日課とし(自由過ぎる昼の過ごし方に先輩方に睨まれていたのはご愛敬…)足に自信があった僕は勇み足でリレー選手に立候補、アンカーの大役を任されるに至ったわけだ。

 

アップを終えスタートラインに立った時にはなんと隣がムキムキの黒人選手。(おいおい大丈夫か…)とはいえなんとかリレーでは1位、クラスも総合優勝と最高の結果に。

 

打ち上げにはOceanの多くが参加、自分たちこそがBest Oceanだとの話に花を咲かせ、みごと学校の思惑通り絆を深めたのでした。

 

 

しかし100mレースってこんなに疲れるんだね・・・

 

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僕たちのOceanはBalticなのでVikingをモチーフにしたコスチューム。We're the best ocean!!

 

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リレー終了直後、超気持ち良い!!

 

 

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打ち上げにて。チャンピオンベルトを他Oceanの人たちに見せびらかしに行ったら案の定怒られた(苦笑)

 

 

 

海外MBAドットコム

(追記)多数リクエスト頂き、興味ある方向けのカウンセリング始めました。30分から受付けております。

carpe-diem-counseling.com

 

 

 

仲間と作ったサイト、大量の合格体験記があるので受験生の方の参考になれば。

kaigai-mba.com

 

以下は自分の投稿記事。

どこか詳しく述べた方が良い部分などあれば教えてください。

 

 

投稿者(ペンネームorイニシャル):Max
進学予定校:MIT Sloan

・カテゴリ: MBA
・地域: アメリカ
・受験校:HBS, Stanford, Wharton, Columbia, MIT, Yale
・インタビュー実施校:MIT, Yale
・合格校:MIT

・性別:  男性
・出願時年齢: 26歳~30歳
・海外経験と期間: 語学留学、新入社員研修などで6カ月程度
・費用: 私費
・奨学金: 応募中

・最終学歴:国内・私立・理系
・GPA:2.8

・受験した試験と出願スコア: GMAT:730(V37/Q51/IR8/AWA6.0)/TOEFL:110(R29/L29/S24/W28)

・塾(試験対策)
TOEFL:Andy田開のみ
GMAT:YES(もらったプリントはほぼ丸暗記+問題も相当な回数繰り返した)とマスアカを一通りやった後はひたすら問題演習。Manhattan, 800score.com, GMACの公式アプリケーション(PC用、smartphone用両方)

・カウンセラー
Essay:江戸義塾, INTERFACE, Essay Snark (添削サービス、HBS, Stanfordの対策冊子), 以下書籍名:65 successful Harvard Business School Application Essays, ハーバードMBA合格者のエッセイを読む, web serviceの過去のHBSエッセイ集, ハーバード合格基準, 栄陽子先生の本(undergrad受験向け), スタンフォード卒業生の方のエッセイ対策pdf
面接:江戸義塾メインでJessica KingにMock Interview一度だけ

Introduction

Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
医学部卒業後、主に債券トレーダーとして外資金融機関に約5年勤務

一番大切な事なのでIntroductionの項で書きますが、原則Admission Processは非常に複雑なブラックボックスだと思っています。確度の高い情報はまずないと思った方が良いです。その中で結果を出すためには心ある先輩方やカウンセラーからバランスの良い情報を集め、自分なりの決断を積み重ねていくことだと思います。私も偉そうなことを以下にたくさん書いてしまいましたが、自分の意見が常に正しいとは全く思いません。あくまで一人の受験生の軌跡としてささやかながら皆様のお役に立てれば幸いです。

Why MBA?

Q. なぜ、MBAに行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
キャリアの行き詰まりとなるべく若いうちに国際経験を積みたいという思いからくる焦りが募ったため。きっかけの1つはアメリカのヘルスケア系VCに30通ほど送ったレジュメとカバーレターが総シカトされたこと。ここを壊すには学歴を積むのが正攻法かと。

Q. 留学の目的や活動予定について教えてください。
ヘルスケア中心に活動する予定。短期‐長期のキャリアゴールを確りと築いた上で卒後最初の一歩につなげたい。

Q. 留学後のビジョンを教えてください。
ヘルスケア*ITでベンチャーをやりたい。放射線治療のアルゴリズム開発みたいな病院内で使用される医療技術の改善、なんて出来たらほんとに楽しそうだと思います。

Preparation for MBA application

<概論>

Q.MBAを考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。

・2015年3月 TOEFL対策開始、Andy田開さんの門を叩く
『MBA受験はリスクがでかい。キャリアの他の場面に全く役立たない内容に年単位で忙殺されることになってしまう』と思い対策開始をためらっていた。これは結果的に全くの間違いだったわけだが、友人との何気ない会話からTOEFLくらいなら受けても良いだろうとAndyさんの講座を受講した。ここで得られる韓国本は頼りになった。またこの時出会った方がMBA受験について詳しく、有益かつ包括的な塾情報を得ることが出来た。多謝。

・4月 下旬から同時並行でGMAT対策開始、YESに通い始める
久々にテスト対策に没頭してみると、日々何かの能力が伸びていく感覚が心地よく勉強にはまっていく。2016年入学の短期決戦にしたかったのでYESでGMATの受験対策開始。GMATはどこから手を付けたら良いか分からなかったが、知識的に絶対足りないのはSCとマス部分だけ(こっちは皆のマスアカ)で後は論理思考とか英文読解力とかの類なのでYESでSCからやるのは理にかなっていたと思う。YESで偶然再会した大学時代の友人からも多くの情報を得ることで受験に弾みがついた。彼には本当に感謝。

・5月 TOEFL110点獲得、GAMT、TOEFLの両立に苦しんだが運よくスコアが出て安心
105-110点のレンジがコンスタントに出せる自信はあったが、そこから109に到達するかは運頼みの状態。GMAT/TOEFL、どちらかに集中して脳を整えた方が効率よく点数が出せるか悩んだが早い段階でなんとか点数が出てよかった。詳しく書かないがAndyさんの勉強会で得た情報が活きた。方法論の理解、モチベーション、結果が揃い良いリズムが出たこの頃からトップスクール受験に向けた思いは揺るぎなくなっていく。

・6月 GMATに集中、YES教材を反復しながら速読力を上げる
YES吉井先生の話を聞き、アラサーにして英文法観が一変。先生に対する確固たる信頼を基に淡々と対策。速読力はなかなか伸びない中CR、RCをひたすら実戦形式で練習。GMACが出している公式問題が思いのほか少なく練習材料に困ったがiphoneアプリは重宝した。ランチを買いに行く時や通勤時などに活用。またこの頃、本業とは別で手を挙げた社内の大きなプロジェクトが佳境に差し掛かっていた。この際残せた実績/リーダーシップ経験がエッセイ・面接を突破するカギとなった。この時期でも戦略的にエッセイネタを作っていくことは有効では。

・7月 GMAT初回受験、スコア730獲得も低GPA/AWA/IRが気にかかり勉強継続、同時にエッセイ開始
低GPA/高偏差値で元四谷大塚の神童だった僕はGMATで圧倒的な点数を取るしかないと思っていた。低GPAには色々なところで突っ込まれ(某カウンセラーにはDisastrousとまで…)最後まで悩まされました。おまけにIR/AWAも悪く(ここへのケアは意見の分かれるポイント)泣く泣く継続。しかし飽き性の僕は既にGMAT対策に辟易としていたためエッセイ対策開始。江戸義塾の初カウンセリングは感覚が掴めなかったがとりあえずStanfordのwhat matters most to youを考え始めたら楽しくなって毎日思い出に耽ったり、妄想したり。

・8月 エッセイに集中(逃避?)、自己理解は深まっていくものの時間は無常に過ぎ去り成り行きで1st出願断念
志望動機も自己理解もあやふやだった自分はここからが苦労の始まり。文字通り五里霧中、暗中模索。知り合いの伝手をたどったalumni/current studentsや友人に話を聞きまくる。(皆さま本当にありがとうございましたm(__)m)ネットのPersonality/Leadership type診断サービスを片っ端から受ける。コーチングに通う。毎日六本木のスタバで3時まで悶々としてから帰り昼間に暇を見つけて仮眠をとりなんとか凌ぐ。

・9月 最初のカウンセリング契約も合わずに即契約解消、下旬からキャンパスビジット
面白い自己分析は終わりが無いプロセスだと気付き一旦キリをつける。同時にカウンセリング契約。過去の実績を基に決めたがこれが失敗。1社目の人とは全く合わず即契約解消→江戸義塾パッケージ契約。ただでさえストレスフルなMBAプロセス、一緒にやってしんどい人とは出来ない。この時期に上記大学時代友人が早々と合格を勝ち取る(スゲー・・・)。以後彼には相談しまくった。キャンパスビジット、全学校の日本人在校生の温かさに感動(以降相談に乗って頂きまくる)しつつ大学の規模と雰囲気に憧れの想いを強める。授業の雰囲気と校舎の規模に飲まれ、絶対Harvardに行くと心に誓う。叶わなかったこの願いが以降僕を強く支えてくれた。

・10月 GMATを卒業、そしてスケジューリングに苦しんだエッセイ地獄
2, 3回目のGMATも730。呪われている。苦も無く全文を読んで答えを出しても時間が余るレベルまでいったのでもっと点数が出ると思っていた・・・悔しいがしょうがない。切り替えて実際の設問を使ったエッセイ執筆開始。エッセイのスケジューリングは非常にむずい。やったことないのだからとも言っていられない。一応10月中に3校、11月に1校、12月に1校という計画を立てたが最初のColumbiaが終わったのが10月末。しかしながらエドにyou’re on trackと言われ安心。皆言うが一校目が終わるとその後は早い。特にColumbiaは設問が王道かつ網羅的だったためその後ほどなくWharton、MITも終える。

・11月 Stanfordに取り組む、what matters most to youなんか分からねえ
コーチングサービスのコーチと話し合いひたすら深める。もはや哲学者。自分なりの答えには着く。ここは最もやり方に個人差が出る上に自分で答えを出すしかないと思うのであまり長く書きません。

・12月 Harvardのエッセイを中心に仕上げる、出願直前に色々手落ちがあり焦る
仕事上で非常に大きな事件が起き一気にしんどくなるがなんとかHarvardを仕上げていく(ここでは特に色々な人に意見を聞きました)。出願直前になり思っていた以上に多量の入力事項がありテンパる。自分が一番テンパったのはTOEFLスコアレポート送付。年末年始でスケジュールも思うようにいかないので一カ月前くらいには一度全ての提出物、記入項目をチェックしておいたら良かった。

・2016年1月 出願後、しばしボケるも気を取り直し英語練習開始
一度完全にボケるも気を取り直し英語練習。私は基本面接specificにはエドを、英語力全般ではフィリピン系サービスを中心に激安ネット英会話総動員体制を敷く。Submit 2日後にYaleから面接招待が来て調子に乗るが、思えばこれが長い長い待ち/不合格地獄の始まりだった。

・2月 面接対策と次々来る不合格通知、2回目のキャンパスビジット
Columbia, Harvard, Whartonと連続で不合格通知をもらいなりふり構っていられなくなる。受かる気満々だったHBSに面接すら呼ばれなかったことは大きなショックだったがこの頃から面接対策に本腰が入る。1日5時間程度は面接練習に加え反省・内容推敲。Yaleは東京で面接をするにも関わらずわざわざ渡米面接し、MITにも顔を出す。あらゆる知り合いに当たってMITは現役生・Alumni合計30人以上は会った。実はNYで仕事面接も無理矢理くっつけたがこのあたりの努力が功を奏したと思う。この時期は初恋の中学生の様に毎晩iPhoneとにらめっこ。

・3月 面接本番、その後はパワプロとマンガ
MIT Sloan面接。Impressしてやろうと思ったのに眉をピクリとも動かさない面接官に焦る。言いたいことは全て言ったが終わった後は絶望感満載で久々に母に電話して泣き言を言った。(本当)それでも受かったのはそもそも世界中の成功者/スーパーエリート達を見てきたベテラン面接官を感動させようというのがおこがましかった、面接以外の部分で決まった、あたりが理由か?真相はもちろん分からない。その後日本に面接に来ていたYaleのAdmissionに会いに行き色々と話して出願プロセス終了。両校には和紙のお礼状を出す。その後合格まではひたすら睡眠・パワプロ・大好きなマンガとサッカーをして過ごす。この期間に心身ともに一気に浄化されたことから自身がよほど疲れていたことに気付く。

・4月 合格通知をもらう
泣いた。

Q.大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
これら全てです。最初はどんな情報を集めたら良いのかすら分からないと思うのでガムシャラにやるしかないのでは。ポイントが掴めたあとは要領よくやれるようになった。かなり多くの人に本当に助けられました。

Q.MBA受験準備にかかった費用について、教えてください。
320万程度、以下内訳
・TOEFL 20万
・GMAT 40万
・エッセイ、面接 150万
・キャンパスビジット 90万
・その他出願費用など 20万

Q.MBA留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
受験費用は全て貯金、進学後費用は貯金及び教育ローン。『ローンは簡単に返せるよ』という先輩方の金言はあまり信じていないので貧乏生活して出来る限り借金を少なくしたいと思っています。

<スコアメイク>

Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

・TOEFL・IELTS(科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
Andyさんが全て。詳しくは下記URLから。
http://andymina.blog136.fc2.com/page-3.html#entry611

・GMAT・GRE(科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
上記4月から7月くらいを見てください。

<Essay & Interview>

Q.上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください
1人目に失敗した後は以下の点を気にしていました。エドは2点とも素晴らしかったです。
・フィット:どんなにプロセスがうまくいかなくても、議論が紛糾しても気持ちの良い関係を続けられるか?素の自分を出しやすいか?
・姿勢:受験生の合格をどこまで自身の喜びとして本当に願ってくれているかvsカウンセリングをあくまでビジネスとして捉えているか
※エドは抱えているクライアントが多く自然と情報が多く集まる。メインにせずともたまに話を聞ける状態にしておくと良いかも

Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

・ エッセー
オーナーシップを持つことがとにかく大切では。大小非常に多くの事に迷うし、本当に色々なことを言われるがそれらと良い意味で距離感を保ちながら一歩一歩磨いていくことが重要だと思います。

・ 推薦状
私費では皆が悩むところ・・・私の場合は社内で最も信頼する2人に頼んだ。お願いする時に2人が書いていることを誰にも明かさないことを約束したので詳しくは割愛したい。さすがに綿密にコミュニケーションを取りながら全校出すのは手間がかかったはずだがとても快く対応してくれた。

・ インタビュー
これも最初は要領を得ないがエドについていきながら色んな人に話を聞いたり練習することで方向性をつかんだ。後はひたすら練習。反省点として面接官の反応に惑わされないことも重要かと思う。

Q.エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
当初はMDホルダーであることや仕事面での実績、リーダーシップスタイル・経験が中心だったが途中からは熱意(行動と理解、意気込みなどのアピール)とコミットメントを核とした。私もそうだったがこの2点は多くの日本人が思っているよりも遥かに重要だと思う。ネットワーク社会であるアメリカにおいてコネクションの力はAdmission processでも活きてくる/それを作るスキルを見せることはそのままビジネスパーソンとしての能力証明になる。(コネの重要性についてはSloanの先輩LilacさんのBlogに譲ります。http://blog.goo.ne.jp/mit_sloan/e/0427636a1a2c4b79fcde68f677729708)また各トップ校が差別化を図りFitを押し出していく中で志望校の深い理解とそれに基づいたどうしても入りたいという熱意は大半の学校のAdmission Teamに響くはず。

<学校選択>

Q. 受験校はどのように選択しましたか。
アメリカでランキング上位を中心に。シカゴは寒すぎのため断念。当初は“もう若くないしライトにINSEAD、でもStanfordも行ってみたいなー”くらい。がやってくうちに(多分webとかinfo sessionで情報収集したり人の話を聞く中で)“どうせなら2年行きたい”、とか“ヘルスケアビジネスやるならアメリカだろ”とか思うように。実用的な点として欧米をミックスすると推薦状の労力が一気に増えます。米国全落ちしたらJanuary intakeで欧州受けようと思っていました。旅行や研修などで散々途上国行ったんですがどうしても自分が住むイメージは描けなかったので欧米以外は考えませんでした。

Q.進学校の決め手は何でしたか。
たまたま唯一受かったMIT Sloanは人柄面から自分にマッチしているように思う。ビジネススクールは腹に何か抱えてそうだけど表面上はすごく良い人が多いなーと思ってましたが(投資銀行ほどじゃないですけどね・・・)、Sloanはほんとに根っから善人で面白い人たちばかり(のはず)なので行けることになって本当に嬉しいです。良い学校なので是非official/unofficial info sessionとかキャンパスビジット来てください。

<その他>

Q.奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。
片端から受けたが全落ち。伝えられる方法論などは無いです・・・

Advice and Messages

Q.失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。
失敗談ありすぎるんですが笑、冒頭に書いた『MBA受験はキャリアの他の場面に全く役立たない内容に年単位で忙殺されることになってしまう』という誤解について少し語ります。がむしゃらに動き回った結果プロセスが終わった頃には意外と大きく成長することが出来ました。伸ばしたかった英語力は飛躍的に改善しました。特にReadingで英文記事が苦も無く読めるようになったことは僕にとって大きな収穫です。またキャリアについて、入社当初の想いは薄れ、何がやりたいか分からないままダラダラ過ごしていた日々よりは少しだけ視界が開けたと感じています。目標を掲げて、夢を見ながら重圧に耐えて頑張る。そんな日々から濃い経験が出来ました。所詮受験、受からなければ・・・という思いは私も抱いていました。ただ唯一受かったMIT Sloanの発表前日、六本木のスターバックスで感じた『これで落ちたら本当に辛い。でも受からなかったとしても後悔はない。』というのもまた偽りのない気持ちです。MBAは受験もその後も大きな投資で気軽に人に勧められるものでは無いです。しかし自分と同じような境遇にいる方がいたら少し背中を押してあげられたらと思っています。渡米前の自分が言うのもおかしい気もしますが。2年後には胸を張って同じことを言えていると良いですね。

Q. 一言メッセージ
蛇足ですが(言いたい事ありすぎてすみません)、ストレスマネージメントの一環で運動は皆に勧めています。僕はマラソンの目標タイムを設定しTT athletic clubというところでモンスター達と走り込んでリフレッシュしました。フットサル仲間募集中。