Globalization

日本の国際化は確実に進んでいる。前職の後輩には僕と同じタイプの進路を進みながらバイリンガルの後輩がたくさんいた。高校の後輩は大学からどんどん海外へ出て行っている。12年前、そんなこと考えもせずに慶應に入って心から浮かれていた僕は和民に入り浸っていた。

 

だが今はどうだ。これなら10年後には日本人が英語で笑われることもなくなっているかもしれない。

 

でもあえて言いたい。老人の支配するこの国と一緒に沈みたくなければ、国が沈んでも変わらず活躍できる人間にならないと。

 

大学時代からうっすらと考えていたことだし、留学の動機の1つだ。

 

何度でも言うが僕は日本が好きだ。だから沈んで欲しいとは思っていないし出来ることはなんでもしたい。きっと国家財政はなんとか持ちこたえる。

 

でも人口構成、イノベーションの欠如、沈んだメンタリティ、どれをとってもちょっと厳しいと言わざるを得ない。みんな現実を見ているんだろうか。今生きていけるからこれからも大丈夫?なんとかなる?誰かが何とかしてくれる?

 

反感を買うかもしれないがちょっと危機感が足りないと思うことがあるのであえて言いたい。中国の偽物を、アメリカ人の大ざっぱさを、そしてインド人のアクセントを笑っても、もう日本への注目度は悲しいほど小さい。日本は皆が大好きな寿司とアニメの国。それだけだ。政治/経済的なプレゼンスは中国とは比べ物にならない。繰り返すが日本人が思うほど、もう世界は日本を見ていない。絶望的なくらい。

 

僕は国を捨てるつもりでもアメリカ人になりたいと思っているわけでもない。

 

そうではないからこそ言う。認識のずれが大きい、それは周りにリアルな外人が足りないからなのではないか。話が矮小になるが過剰なレディファースト信仰もそうだ。僕のクラスメイトの女性はみなしなやかに力強い。重い物もしっかりと手に持つし男女関係なく譲り合う。真実と島国の常識は別物。歪んだジェンダー論の副産物か。男女問題は正直あまり触れたくない分野だが世の女性たちには大いに活躍して欲しいし僕に出来ることはなんだってしたい。

 

日本の風変わりな企業文化。恐ろしいことに5年もいれば違和感も消え自分も馴染む。だからそれでも思い立ったら、どんどん外に出て欲しい。志のある人に。上でも触れたが特に女性こそどんどん外に出て行くことを進めたい。人によっては婚期が遅れるけどね。

 

ところで逆説的だが国が沈んても、もう少し限定して言うと経済が破綻してもそれはそれで良いと思う。皆辛い想いをするし、苦労もするかもしれない。でも人々がいなくなるわけではない。

 

“日本人は徐々に訪れる危機には疎いが熱い物に触った後の反応の鋭さには秀でた民族だ”小さい頃塾の先生が言っていた言葉だがきっとその通り。戦後・震災後の見事な復興は僕らの誇りだ。

 

繰り返すが僕は日本が好きだ。そこだけは誤解されたくない。でも1ドル500円になったらまたそこから出直せばいい。そっから国と共に這い上がる、心が震える話ではないか。

 

今の日々が、そんな時に大いに活躍する礎になれば幸せだと心から思う。